『しあわせのタネ』

赤文字部分にお客様がお決めになられた文字が印刷されます(実際は黒文字印刷です)

表紙

まーくんに おくる
せかいで たった いっさつの えほん
入学おめでとう
おともだちがたくさんできるといいね☆
2020年4月
パパとママ より

まさとくんに
しあわせの はなが たくさん
さきますように
しあわせのタネ

とてもきもちのいい
にちようび。
まーくんが
しながわくの
こうえんであそんでいると
あたまにコツン
なにかがおちてきました。
それはふしぎなかたちをしていました。
「…なんだろう…」

「かわいいな」
「なにかのタネかなあ」
まーくんは
すごくきになって
タネをポケットにいれました。
それからなのです。
いろいろなことが
おこりはじめたのは…。

あるひ
いつもみかけるワンちゃんと
すれちがいました。
すると
ワンちゃんが
「おはよう」
まーくんに
あいさつをしたのです。
「…え?いまワンちゃんがしゃべった…?」
それが ふしぎのはじまりでした。

まーくんは
ワンちゃんに
はなしかけました。
「いましゃべった?」
ワンちゃんは
なにもいいませんが
わらっているように
まーくんにはみえます。
「そうなの。よくしゃべるのよ」
ワンちゃんのママが
わらいました。
タネはふんわりと光っていました。

タネがポケットにはいっていると |

タネの
ふしぎなちからでしょうか。
ねこたちや、かぜや
にわのみどりや、とりたちと
まーくんは
どんどん
なかよくなっていきました。

あるひ
おつかいにでかけると
こうえんのベンチに いつかあったワンちゃんの ママがすわっていました。 なんだかさびしそう。 まーくんはおもいました。 |

まーくんは
なかよくなったとりや、かぜや、ねこたちに
たずねました。
さびしそうなワンちゃんのママに
なにかできることはないかなあ。

すると
かぜはやさしく
あたりを
つつみました。
とりはたのしいうたを
うたいました。
ねこはあしもとに
ほほずりしました。
まーくんも
くうきが やわらかくなっていると
かんじました。

「こんにちは、きょうワンちゃんは?」
まーくんは
ワンちゃんのママに
はなしかけました。
「ワンちゃんは
にゅういんしているの。
しんぱいでさびしかったの。
はなしかけてくれて
ありがとう。
きっとげんきになるわ」
ワンちゃんのママは
いつしかえがおになっていました。
そのときワンちゃんの「ありがとう」という
こえが
きこえたきがしました。
まーくんは
みんなのおかげだと
おもいました。
そして このタネのおかげだと。

まーくんはさいきん こんなふうにおもっています。 じぶんから えがおになろう。 するとまわりに えがおが ひろがっていくから。 |

まーくんは
すてきなことを
おもいつきました。
「ケーキをたべよう!」
みんなをさそったのです。
「おいしいね」
「いっしょにたべるとおいしいね」
みんなのおいしいものを
たべるときの
かおがだいすき!
おいしいものは、しあわせのタネ。

さむいひは
みんなに
あたたかいこうちゃを
いれてあげよう。
あたたかいだけで
えがおになるね。
ゆげは、しあわせのタネ。
あついひは
みんなに
こおりをいれて
ジュースをつくってあげよう。
つめたいだけで
ふーっとなるね。
ガラスのしずくは、しあわせのタネ。
まーくんは
つぶやきました。
「みんなのえがおに ありがとう」

まーくんはタネをもってから
いままでよりも
じぶんが「ありがとう」を
たくさんいっていると
かんじています。

「…ふしぎなことは
ぜんぶこのタネのおかげ…」
そうおもいながら
まーくんはタネをさがしました。
でも
どこにもみつかりません。
まーくんは
むねにてをおいて
つぶやきました。
「もうあのタネはいらない。だってここにあるから」

しあわせのタネは
ゆめのタネ。
みんなの
こころのなかにあります。
うれしいことや
たのしいことがふりそそいで
すてきなはなを
さかせます。
まーくんは
いま6さい。
まーくんに
もっともっと
しあわせなことが
おこりますように。
